活動報告:自主・連携事業

NPOリーダーのためのリトリート研修 in 御殿場
(第19回 支援者のための心のリフレッシュプログラム)

■日程:2021年4月4日(木)~10日(土) 2泊3日
■場所:国際青少年センターYMCA東山荘(静岡県御殿場市)
■参加者:5名(5団体)

プログラム

1日目

リラックスタイム1(近隣散策)
イントロダクション1(自分との出会い1)
イントロダクション2(シェアリングワークショップ)

2日目

富士山散策(富士さんぽ)
セルフケア(呼吸法)
ワークショップ(自分との出会い2)

3日目

ワークショップ(自分との出会い3)
まとめ

その他、カウンセリング(希望者のみ)、オンライン懇親会など

活動報告

2021年2月開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染が拡大したため4月に延期しました。ただし、タケダ・いのちとくらし再生プログラム「新型コロナウイルス感染予防ガイドライン」に基づいて実施しました。

開催19回目を迎えるこのプログラムでは、自然と交わり、自分を大切にする時間を持つことを大事にしています。そのためすべてのプログラムは参加者の選択制とし、参加しないという選択もできるというのが特徴のひとつです。さらにプログラム期間中は「所属団体や肩書には触れず、自分が呼ばれたい名前」を決めて、それで呼び合うというルールがあります。

集合時は、少し緊張していた参加者ですが、自己紹介(所属団体・肩書などは言わない)後、おしゃべりしながら秩父宮記念公園に散策にいきました。会場に戻ってからは、参加者同士で心の荷下ろしを目的とした共有の時間をもったり、社会福祉法人興望館の大江さまに阪神淡路大震災で経験されたお話やストレスケアの重要性についてお話いただきました。

1日目の振り返りでは「被災当事者で支援者で、どこまでやっても答えがない現実と向き合いながら、プライベートがない、しんどいと思っている自分を受け入れられないでいる。」「タイムスケジュール的に十分な余裕があり、時間に追われることなく、ゆっくり過ごすことができました。イントロダクションからおさんぽ、ティータイムと気負うことなく、大きく深呼吸しながら自然を満喫することができました。シェアリングの時間などは、意識を自分に向け、今のままの自分を受け入れることの大切さと「頑張らなくてもいいんだよ」と言われてる気がして、自然と肩の荷がおりたような気がしました。」などのコメントがありました。

2日目は、世界文化遺産の富士山5合目付近の森林をネイチャーガイドの指導のもと散策しました。最初にネイチャーガイドから「どんな天気でもそれが自然なので自然を楽しみましょう。否定的なことば、後ろ向きのことばは言わないようにしましょう」とコメントをいただき、陽春の富士山をゆっくり歩きました。基本的に観光客や登山客が通らない場所を散策しつつ、ガイドからの説明をうけることで、富士山の歴史を知り、魅力をより感じることができました。小雨も降り寒くなったので、会場にもどってすぐに焚火で体を暖めながらコーヒー飲んだり、マシュマロ焼きなどを楽しみました。夕方に温泉に浸かり一日の疲れも癒しました。

2日目の振り返りでは、「楽しみにしていた富士山でのネイチャープログラムは予想通りとても楽しく、また、新鮮でした。普段は足元の野草には目を留める暇もないほど目まぐるしい生活を送っていますが、小さな野草や木々の生命の営みに触れることができ、本当にリフレッシュできました。また、気温の変化や天候の変化など自然の厳しさと素晴らしさにも全てに感動でした。たき火やマシュマロは、自分を開放し、他者をはばかることなく楽しく過ごせました。疲れた心身と冷えた身体を温泉でほぐすことができ、全てをリセットできたと思います。とても楽しかったですし、いやされました。」などのコメントがありました。

最終日は、「リーダーとは?」について学んだ後に「聞くこと・話すこと」のエクササイズを行い、最後に3日間の振り返りをしました。

最終日の振り返りでは、「話す事の大切さをちゃんと認識できたと思います!戻っても忘れずに実践出来るようにやっていきたいと思います。」「「破壊と再生」新しい自分との出逢い。ここからまた頑張れる時間をいただくことができました。本当にありがとうございました。
人は人との出逢い、つながり、安心、安全な「時間と空間」があれば生きていけるんだと思います。(思えることができました。)」などのコメントがありました。

東日本大震災復興支援を行っている現地NPOの方々は、住民ひとりひとりに寄り添った活動をしていますが、実は自分の気持ちを後回しにしがちであり、自身も気づかないうちに、ある日バーンアウトしてしまうことがあるといわれています。被災者の心のケアの重要性にくらべ、支援者が心の健康を保つことの重要性は、まだまだ十分に認識されていません。少しでもこのような取り組みが、支援者のメンタルヘルスケアの必要性が認識される一助になってほしいと願っています。

*このプログラムは、プログラムパートナーの公益財団法人 日本YMCA同盟と帝京平成大学の中谷名誉教授(臨床心理学博士)の協力を得て実施しています。

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