活動報告:自主・連携事業
NPOリーダーのためのリトリート研修 in 御殿場
(第20回 支援者のための心のリフレッシュプログラム)
■日程:2021年12月9日(木)~11日(土) 2泊3日
■場所:国際青少年センターYMCA東山荘(静岡県御殿場市)
■参加者:4名(4団体)
プログラム
1日目
リラックスタイム1(近隣散策)
イントロダクション1(自分との出会い1)
イントロダクション2(シェアリングワークショップ)
2日目
富士山散策(富士さんぽ)
ワークショップ(自分との出会い2)
3日目
ワークショップ(自分との出会い3)
まとめ
その他、カウンセリング(希望者のみ)、オンライン懇親会など
活動報告
2021年9月開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染が拡大したため12月に延期しました。ただし、タケダ・いのちとくらし再生プログラム「新型コロナウイルス感染予防ガイドライン」に基づいて実施しました。
本プログラム最終回となる20回目では、自然と交わり、自分を大切にする時間を持つことを大事にしました。そのためすべてのプログラムは参加者の選択制とし、参加しないという選択もできるというのが特徴のひとつです。さらにプログラム期間中は「所属団体や肩書には触れず、自分が呼ばれたい名前」を決めて、それで呼び合うというルールがあります。
集合時は、少し緊張していた参加者ですが、自己紹介(所属団体・肩書などは言わない)後、おしゃべりしながら竹林のあるカフェまで散策し、スイーツとお茶を堪能しました。
会場に戻ってからは、参加者同士で心の荷下ろしを目的とした共有の時間や、社会福祉法人興望館の大江さまに阪神淡路大震災で経験されたお話やストレスケアの重要性についてお話いただきました。
1日目の振り返りでは「人は誰でも優しく受け入れていただくと、こんなにも幸せな気持ちになるのですね。感謝です」「みなさんのお話を聴いて、なるほどと思いながら昔のことを思いおこし、こんな感情を持っていたな…と。話しながら心は揺れないというか、時間が過ぎたんだなぁと気づきました。ネガティブ・ケイパビリティのお話、ストンと落ちました。改めて整理をして伝えることの大切さを感じました」などのコメントがありました。
2日目は、世界文化遺産の富士山5合目付近の森林をネイチャーガイドの指導のもと散策しました。前回とは違うルートかつ基本的に観光客や登山客が通らない場所を散策しつつ、ガイドからの説明をうけることで、富士山の歴史を知り、魅力をより感じることができました。また、12月にセミの抜け殻に出会うなど日常生活ではありえない体験をし、非日常を楽しみました。
会場に戻ってからは、焚火をしながらマシュマロを焼き一息つきました。その後は、恒例となっているコラージュワークショップを行いました。
2日目の振り返りでは、「大自然の中で自分の小ささ、そしてこの地球の偉大さを感じることが出来ました。富士山が美しすぎて、また空気がとても美味しく感じました。」「コラージュは時間を忘れて熱中した。写真素材を選びながら自分と向き合い、これまでを振り返る機会になった。自分の変わらない気持ちや想いも改めて知ることができた。」などのコメントがありました。
最終日は、「セルフケア研修」として、自分の顔を模した仮面を作成し、自分自身に話しかける研修をしました。最後に3日間の振り返りをしました。
最終日の振り返りでは、「この3日間の中で自分の原点は何なのかを問う時間となりました。自分をふるさととして受け止めて行動していくこと。それは自分を認めることから始めていきたいと思います。」「◎人よりまずは自分を大事に ◎特別扱いはやめよう。この2つをこの3日間でいただくことが出来ました。心から感謝します。何事も決断するには人に話しながら自分の心を決めていくことが大切、そんな相手に今回多くの方がなってくださったこと、このような機会を提供して下さった全ての方に感謝致します。」などのコメントがありました。
東日本大震災復興支援を行っている現地NPOの方々は、住民ひとりひとりに寄り添った活動をしていますが、実は自分の気持ちを後回しにしがちであり、自身も気づかないうちに、ある日バーンアウトしてしまうことがあるといわれています。被災者の心のケアの重要性にくらべ、支援者が心の健康を保つことの重要性は、まだまだ十分に認識されていません。少しでもこのような取り組みが、支援者のメンタルヘルスケアの必要性が認識される一助になってほしいと願っています。
この取り組みを今後の災害でも実践していただけるようにガイドブックを作成しています。(2022年4月公開予定)
*このプログラムは、プログラムパートナーの公益財団法人 日本YMCA同盟と帝京平成大学の中谷名誉教授(臨床心理学博士)の協力を得て実施しています。