活動報告:助成事業
第2期第1回新規助成 成果報告会(2018年02月15日)
その先を見据えたつながりへの挑戦 ~現地NPOの連携とエンパワメント~
■日時:2018年2月15日(木)14:00-17:00
■会場:TKP仙台東口ビジネスセンター カンファレンスルーム2B
■参加者:27名(NPO・企業など)
■告知チラシ:
ダウンロード(PDF:約1.8MB)
全国からの支援が減っていく中、地域では復興の先を見据えた「つながり」づくりも動き出している。一団体でできることは少ないが、パートナーを探して共に新しいことに挑戦する団体や、地元住民を巻き込んで一緒に取り組んでいる団体も増えてきている。多くの人とつながり、共に動くことで新しい道が開けたり、一団体ではできなかったことができるようになったりもする。本助成事業の対象となる「連携・協働を通じた支援」や「住民のエンパワメントを支援する」活動を通じて見えてきた課題やうまくいったことなどの事例報告とパネルディスカッションを行い、今後の復興について考える機会とした。
成果報告会は、タケダ・いのちとくらし再生プログラム第2期助成事業選考委員会の早瀬委員長の挨拶から始まり、その後本プログラム第2期事業概要説明が行われた。
事例報告とパネルディスカッションは、「住民のエンパワメント」をテーマにして活動した2団体と、「連携・協働」をテーマにして活動した3団体に分けて2部構成で行った。
住民のエンパワメント
2団体が事業を通じての成功事例や課題を発表した。共通項としては「データの活用」、「地域の若者との関わり」、「広く門戸を開く」があげられる。パネルディスカッションでは、2団体に協力している住民・団体が加わり、事業に協力してよかったことや課題などについて地域の協力者の視点から意見を聞いた。
住民のエンパワメントを進めていくうえで重要なことは「地域住民との信頼関係の構築」が明らかになった。Bridge for Fukushimaは「データブック」をつくるだけではなく、何度も地域に足を運び、住民との交流を通じて少しずつ信頼関係が構築されたため、住民がさらに必要としているデータをまとめるデータブック第2版の作成を行うことになった。ワタママスマイルの「地域子ども食堂」は食事をするだけではなく、子どもたちが必要としている学習支援や寄り添いなどを通じて「いつでも来られる場づくり」を行っており、食堂以外の時間帯は協力団体がその受け皿となっている。
事例報告
- 一般社団法人 Bridge for Fukushima 松本 学さん
事業名:南相馬市エンパワーメント化事業 ~データに基づく復興街づくり~ - 一般社団法人 ワタママスマイル 菅野芳春さん
事業名:『地域子ども食堂』による子どもの居場所づくりと地域コミュニティ再生事業
パネルディスカッション
- 一般社団法人 Bridge for Fukushima(松本 学さん)
- 小高会議(小林奈保子さん)
- 一般社団法人 ワタママスマイル(菅野芳春さん)
- 渡波災害支援センター(小沢倫平さん)
連携・協働
3団体が事業を通じての成功事例や課題を発表した後にパネルディスカッションを行った。3団体と連携・協働している団体にも登壇していただき、事業に協力してよかったことや課題などについて協力者の視点から意見を聞いた。パネルディスカッションのキーワードとして「連携・協働を進めていくうえでのコーディネーターの役割の難しさ」「ベストプラクティスは他の地域ではベストとは限らない」「恩返し」「お互いに高めあう」などがあげられた。また、各団体・地域の特色や考え方も違うなかでの連携・協働は課題も多いため、より密なコミュニケーションと柔軟性が求められることも明らかになった。
最後にコーディネーターからは「東北で起こっている連携・協働における横の展開を日本全国にも発信していくことができたらよい」というコメントがあった。
事例報告
- 特定非営利活動法人 アットマークリアスNPOサポートセンター 横澤京子さん
事業名:復興まちづくりとその先を見据えた連携による支援体制の構築 - 東北・広域森林マネジメント機構 三木真冴さん
事業名:被災3県森林資源活用による地域発展プロジェクト - 一般社団法人 さとうみファーム 金藤克也さん
事業名:羊がつなぐ被災地の輪
パネルディスカッション
- 特定非営利活動法人 アットマークリアスNPOサポート センター(横澤京子さん)
- 特定非営利活動法人 陸前高田まちづくり協働センター(三浦まり江さん)
- 東北・広域森林マネジメント機構(三木真冴さん)
- 特定非営利活動法人 吉里吉里国(芳賀正彦さん)
- 自伐型林業推進協会(中塚高士さん)
- 一般社団法人 さとうみファーム(金藤克也さん)
- 一般社団法人 コミュニティスペースうみねこ(八木純子さん)
- 岩沼ひつじ村(笠田一成さん)
参加者の声
- 子どもたちの現状の把握と心のケア、食事の提供を地域ぐるみで継続的に行っていることは素晴らしい活動と思いました。
- 連携・協働パネルディスカッションでの「お互いに学びあっている」ということばが印象的でした。連携・協働におけるお互いの信頼関係が大切だと感じました。