特定非営利活動法人 土佐の森・救援隊

特定非営利活動法人 土佐の森・救援隊

森林ボランティア活動を林業の入口とし、林業への間口を広げ、参入しやすい林業を形づくり、地域雇用の倍増、森林・地域林業及び山村再生を目的としている。

実施事業

カテゴリー
くらし
事業名
これまで未利用の森林を活用した、被災者雇用拡大事業 ~土佐の森方式、自伐林業方式・木質バイオマスシステム構築の実践研修~
期間
2012年4月〜2013年3月
助成額(万円)
950
主な支援対象

津波被災地域住民(岩手県大槌町、岩泉町、宮古市、宮城県気仙沼市、他)

主な活動地域
津波被災地域(同上)、津波被災地周辺地域

活動実施の目的・背景

木材自由化以降、日本の林業は大規模化の流れがいまだに続いている。しかし林業は不況から脱出するどころか深みにはまっている感もある。当団体は発想を転換し、低投資で参入容易な小規模自伐林業方式(自ら施業管理する方式)を推進し、大規模林業業者では採算割れからできなかった木質バイオマス利用のための林地残材の収集運搬ができるようになった。そこから本格的な自伐林業家が育つようになり、自伐林業が成り立つことを証明した。これによりUIターン者も増え、地域林業による雇用が一気に拡大(これまで導入した地域の実績では5~10倍に拡大)、地域活性化に貢献し始めた。軽めの林業である林地残材の収集運搬から始め、徐々に本格的な林業にステップアップするこの方式が土佐の森方式である。津波被災地は漁業中心であることから、これまで活用されてなかった森林をこの際に活用して、土佐の森方式を用いて、津波被災地復興のために、一時的から長期的雇用を幅広く生むことを、当事業の目的とする。

自伐林業方式は永続的に山を管理することから、材収穫時に委託型で施業する大規模林業に比べ格段に良い森をつくることが証明されている。津波を受けた被災地はリアス式海岸で海と山が直結している。山の状態が海の状態に直結するということだ。故に「森は海の恋人」という言葉も生まれている。沿岸養殖業は森の状態に影響されることから、沿岸地域の森は、よい森をつくる自伐林業方式で整備されることが望まれる。大規模な荒い施業で土砂が流れ出ては養殖業の復活もままならない。

現在、岩手県大槌町吉里吉里地区にて、自伐林業方式にて、先に述べた方々の協力を頂きながら当団体にて実践している。現在順調に推進しており、既に3人の専業雇用と15人程度の副業雇用になりつつある。この取り組みを被災地に広げることにより、被災地住民の雇用拡大につなげられれば、大きな被災地復興事業になる。基本的には3カ年継続事業として考えている。初年度は3~5地区、2年目は10地区、3年目に全域へ展開させることを目標とし、被災地域雇用1,000人以上を目指す。

事業内容

1. 参入しやすい自伐林業にて被災者雇用創出事業を実施したい地域の募集

初年度は、岩手県大槌町(吉里吉里地区以外)、岩泉町、宮古市、宮城県気仙沼市を中心に3~5地域で、以下の研修会を実施する。

2. 自伐林家養成塾(林業技術研修)の実施
  • 研修内容は、(1)チェーンソー取扱い、(2)選木・伐倒・造材、(3)材搬出、(4)作業道づくり、(5)林業経営、(6)林産物(キノコ、精油等)等の研修を毎月2~3日、集中的に実施する。重要な研修は反復させる。
  • 講師は当面、当団体のメンバー及び自伐林業家が得意分野を担当する。
3. 地域に合わせた自伐林業方式の構築をワークショップ研修形式で実施
  • 研修合意した地域の、地域の森林・歴史・文化等を考慮した、地域に根ざした自伐林業方式を研修参加者と構築していく。
  • 決めていく内容は、(1)自伐林業スタイル、(2)山林の確保、(3)推進組織(担い手)、(4)業にする範疇、(5)販売先及びマーケティング、等である。
  • 自伐林業スタイルは、(1)グループ型:山林所有者が複数集まり施業する方式、(2)集落営林型:地域の小規模な山をまとめて地域住民組織で施業する方式、(3)森林組合活用型:地域の小規模な山をまとめて森林組合と協働して自伐林業を実施する方式、(4)大規模山林所有者型:大規模な山林所有者と協働して、山を分散化して自伐林業を実施する方式、等に分かれる。どれを採用するかは地域状況により決める。
4. 木質バイオマス地域システムの構築をワークショップ研修形式で実施
  • 林地残材を地域ぐるみで収集して、エネルギー利用やパルプ原料利用する地域システムを、研修参加者と構築していく。
  • 高知県仁淀川町で構築した地域システムをベースにしながら、その地域の人達と協議を重ねながらアレンジしていく。
  • 可能な地域では、研修後半には社会実験として試行も実施する。
カテゴリー
くらし
事業名
これまで未利用の森林を活用した、被災者雇用拡大事業 ~被災地域から発信する、本当の森林・林業・木質エネルギー業の再生~
期間
2013年4月〜2014年3月
助成額(万円)
500
主な支援対象

被災地域住民、自治体及び推進団体

主な活動地域
岩手県大槌町、宮城県気仙沼市、宮城県南三陸町及びその周辺市町村、宮城県石巻市

活動実施の目的・背景

林業と木質バイオマス利用を地域に取り返し、地域経営による雇用創出を図る活動を被災地で展開して、全国発信できるようなモデル事業を創り上げたい。

事業内容

  1. 自伐林業者養成講座の継続開催
  2. 木質バイオマス地域システムの構築→テスト試行→本格運用支援
    地元自治体や企業を巻き込んだ協働システムの構築を目指す。
  3. 木質バイオマス地域システムレベルアップのための薪ボイラー導入の推進
  4. 自伐林業できる環境のコーディネート
カテゴリー
くらし
事業名
未利用資源の森林を活用した、自伐型林業による被災地就業拡大事業 ~被災地で確立する中山間地域再生モデルの構築、そして全国へ~
期間
2014年4月〜2015年3月
助成額(万円)
600
主な支援対象

被災地域住民、自治体及び推進団体

主な活動地域
岩手県大槌町、陸前高田市、宮城県気仙沼市、石巻市 他

活動実施の目的・背景

未利用森林を活用した自伐型林業による被災者雇用の拡大は、事業の実施地域においては順調に推移しており、東北でも十分展開できることを証明でき始めた。

当初の目標である被災地全域展開を行うために、これを被災地モデル(大槌町:集落営林型自伐林業モデル、気仙沼市:自伐型林業+木質バイオマス+地域通貨システムモデル)として完成させ、完成形を提示するとともに、その普及地域を創出してゆく。

事業内容

自伐型林業により、被災地で確立する中山間地域再生モデルを構築し、そして全国展開を実施する。林地残材の収集運搬からはじめ徐々に本格的な林業にステップアップするこの方式により、これまで活用されていなかった被災地の森林を整備し、地域林業による雇用を創出し、地域活性化に貢献することを目指して、つぎの活動を行う。

1. 岩手県大槌町

集落営林型の自伐林業を完成させ、持続的経営を推進する。そのモデル化を実現させて、近隣市町村への普及を図る。

2. 岩手県陸前高田市

自伐林家養成の研修を開始するとともに、気仙大工再生の取り組みとの連携・協働を図り、山から消費者に至るまでの一連の、いわば「一気通貫」のしくみづくりを構築していく。

3. 宮城県気仙沼市

「自伐型林業+木質バイオマス+地域通貨」による成功事例づくりに取り組み、併せて被災地におけるモデル事業として全国展開を図る。

4. 宮城県石巻市

自伐林家養成研修を継続実施するとともに、地域組織の立上げを支援する。

5. 岩手県

岩手県庁や地元団体との連携により、他地域での普及活動を実施する。

団体概要

団体名
特定非営利活動法人 土佐の森・救援隊
代表者
中嶋健造
所在地
〒781-2154
高知県高岡郡日高村岩目地940-1
Tel: 0889-24-5444
設立の目的

森林ボランティア活動を林業の入口とし、林業への間口を広げ、参入しやすい林業を形づくり、地域雇用の倍増、森林・地域林業及び山村再生を目的としている。

通常の活動

自伐による本格的な森林整備(間伐・搬出・材利用等)を実践する中、研修会「自伐林家養成塾」の定期的開催、木質バイオマス等利用の林地残材収集運搬システム構築づくりを一体化した地域システム(土佐の森方式)の全国展開、森林環境保全直接支払いとしての地域通貨「モリ券」の発行による地域経済活性化、森林環境教育、木質バイオマス利用推進のための薪利用、森林ツーリズム等を推進している。