一般社団法人 ワタママスマイル
東日本大震災で被災した女性の就労を支援し、石巻の食と職をつくり、女性や高齢者などみんなが元気で生き活きとして働ける社会や食を通して人と人がつながり、互いに助け合い、笑顔が溢れる社会の実現を目指す。
東日本大震災で被災した女性の就労を支援し、石巻の食と職をつくり、女性や高齢者などみんなが元気で生き活きとして働ける社会や食を通して人と人がつながり、互いに助け合い、笑顔が溢れる社会の実現を目指す。
再就職が困難な女性と仮設住宅や在宅の高齢者世帯
仮設住宅が12か所に点在する渡波地区では女性の再就職が非常に困難な状況にある中で、就労の場であるとともに高齢者向け弁当配食事業を行ってきた「ワタママ食堂」が閉店せざるを得なくなったので、新規に「ワタママ食堂」の店舗を作り、高齢者の食事支援と被災女性の雇用創出を図る。
1.石巻市内(渡波地区)に新規に店舗「ワタママ食堂」を建設・開設する。
循環型社会に対応した建物で厨房・食事スペース・販売スペースを備える。
カフェ施設を併設する。(午後のみの開設で語らいの場とする)
2.最初にお弁当事業を立ち上げる。
店長1名ほか調理・盛り付け・配達などのスタッフを雇用する。
3.惣菜・佃煮・漬物などの加工品の開発販売を行う。
惣菜・加工品担当者などを雇用する。
4.手作り品の販売スペースを設けて販売する。
再就職が困難な女性と仮設住宅や在宅の高齢者世帯
当団体は宮城県石巻市渡波地区を活動の中心とし、震災で職を失った女性の就労の場をつくり、また仮設住宅等に居住する高齢者の食の支援と孤立化防止に努め、女性が元気で生き活きとして働ける社会や、食を通して人と人がつながり、互いに助け合い、笑顔が溢れる社会の実現を目指している。
これまでの事業では、渡波地区に『ワタママ食堂』を再建して地域住民の雇用を生み出し、またお弁当の配食事業と高齢者の見守り支援を行ってきた。また同地区の生活実態調査を行い、経済的・精神的に厳しい生活実態と孤立化の実態を明らかにした。
復興公営住宅の建設が進む中、高齢者等の孤立化やコミュニティの離散も懸念されており、今後も見守り支援の継続と安定した就労機会の提供のために、お弁当配食・販売数の拡大と食堂店舗の交流拠点化を目指す。
1. 安定した就労の場の提供
店舗運営・献立作成などにおける店長裁量の拡大、新規スタッフの雇用により、顧客ニーズに応じたメニュー作成、広報を行い、お弁当配食事業の黒字化を目指す。
お弁当を“地元のお母さん手作り”の日替わり弁当とし、地元農産物・海産物を用いて地産地消を推進する。
2. 高齢者や健康に配慮した食事管理・メニュー作り
管理栄養士の指導を受けてお弁当にカロリー表示を行い、高齢者の体調に合わせた最適な食事メニュー作りを行う。
健康に配慮した減塩メニューを考案し、「ヘルシー弁当(減塩弁当)」の販売を始める。
3. 『ワタママ食堂』の店舗を活用した地域交流と事業の発展
『ワタママ食堂』内にカフェを開設し、地域住民やボランティア、観光客等の交流の場とする。特に在宅被災者の語らいの場とし、地域再生のきっかけづくりとする。
食堂内で地域交流イベント(歌、手芸、震災の語り部など)を開催し、震災の状況や復興の情報発信基地とする。また避難所同窓会、復興公営住宅入居者の事前交流会、他地域との物産交流会なども開催する。
惣菜、佃煮、漬物など加工品の商品開発と販売を行う。
4. 高齢者の見守り支援
社会福祉協議会や仮設住宅自治会と連係し、高齢者の見守り活動を行う。またお弁当配達時の見守り支援と孤立化防止を図る。
「高齢者見守りカルテ(配食サービス提供日やメニュー、量、食事数や健康状態などの記録)」を作成し、他の医療・介護支援団体との情報交換を図り、包括的な見守り支援につなげていく。
5. 生活困窮者支援に向けた活動
他団体と連携し、石巻市内の生活困窮者を対象に配食サービスを実施する。
再就職が困難な女性と仮設住宅や在宅の高齢者世帯
当団体は、青年海外協力隊OB/OGによって組織された「協力隊OV有志による震災支援の会」として発足した。助成1年目は、配食事業の拠点「ワタママ食堂」を開設して地域の女性の就労支援をしてきた。同時に地元スタッフが中心となる土台作りに取り組み、一般社団法人「ワタママスマイル」を立ち上げた。
助成2年目の活動では、弁当の配食対象を工事関係者などにも広げて採算ライン200食を越える注文数を確保した。また食堂店舗を活用して地域交流イベントを開催するなど地域各団体との関係を深めてきた。
今回の継続助成では、復興工事終了後の顧客確保も見据えて、栄養バランスや減塩に配慮した「ヘルシー弁当」の開発や生活困窮家庭の子ども達への「ワタママこども食堂弁当」などの取り組みも展開する。地元女性の就労支援から始まった活動が、地域にしっかりと根ざして、広がりを持った活動として定着していくことを目指す。
1.「ヘルシー弁当」づくりと配食サービス
スタッフが、新たに雇用した管理栄養士から指導を受けて、栄養バランスや塩分・カロリーなどを計量できるようにするとともに、導入する急速冷凍機・真空包装機を活用した「真空調理法」を習得する。これにより、栄養バランスなどが管理・表示された「ヘルシー弁当」を開発し、通常の日替わり弁当とともに販売する。また高齢者むけの「シニア向けヘルシー弁当」も開発し、仮設住宅などの高齢者に配食する。
2.「こども食堂」への弁当提供
こどものための栄養バランスやカロリーなどが管理された弁当を「ワタママこども食堂弁当」として、生活困窮家庭の子どもたちの学習支援・食事支援事業である「こども食堂」に提供する。この弁当では、地元の食材を活用するとともに、誰が生産した食材かを分かりやすく説明した「お品書き」を添えて食育にも資する。
3.就労支援と高齢者の見守り支援
通常の就労が困難な子育て中の女性やひきこもりの若者、就労を希望するシニアや高齢者などに対して「ワタママ食堂」での就労の機会を提供する。また、地元の社会福祉協議会などと連携して、高齢者への弁当配達時の声掛けにより見守り支援を行う。
宮城県石巻市東部地区の復興公営住宅等に住む高齢者(50人) 一人親世帯や経済的困窮世帯の子どもたち(200人) 「孤食」が余儀なくされている子ども(30人) 家庭に課題を抱えている子ども(20人)
石巻市は震災の影響で、経済的困窮世帯が全国比で2倍と多く、子供の貧困や不登校が課題。また、渡波地区に建設された復興公営住宅の1,500人の住民の約4割は高齢者であり、孤立のケースも多い。本事業は、石巻市東部地区で、「地域子ども食堂」・「地域食堂」を開催し、子どもや高齢者の「孤食」問題に取り組むことを通じて、地域で子どもや高齢者を支える仕組みを作ることを支援する。
1.「地域子ども食堂」を定期開催する
石巻市渡波、鹿妻、湊地域の復興公営住宅の集会室などで、定期的に「地域子ども食堂」を開催する。実施には各地域の小中学校、自治会、婦人会、社協、教会等の地元組織と連携し、子どもや保護者を中心に住民を巻き込んでいく。
2.課題を抱えた子どもを地域福祉資源につなげる
「地域子ども食堂」に来る特に家庭に課題を抱える子どもをフォローし、地域や市の社会福祉資源(民生委員や児童委員、ケアワーカー、子育て支援課、児童相談所等)につなげていく。また、月1回程度で学習会を実施する。
3.「地域子ども食堂」に関するセミナー等を開催する
「地域子ども食堂」に関心を持つ他の地域の個人、団体等に対し、セミナーや説明会を実施し、「石巻地域子ども食堂ネットワーク」の構築を目指す。
宮城県石巻市東部地区の復興公営住宅等に住む高齢者(50人) 一人親世帯や経済的困窮世帯の子どもたち(200人) 「孤食」が余儀なくされている子ども(30人) 家庭に課題を抱えている子ども(20人)
石巻市は震災の影響で、小中学生の就学援助受給者に生活保護世帯を加えた数が全国平均の約3倍と多く、子どもの貧困や不登校、さらに復興公営住宅における高齢者の孤立のケースも多い。本事業は、石巻市東部地区で、「地域子ども食堂」を開催し、子どもや高齢者の「孤食」問題に取り組むことを通じて、地域で子どもや高齢者を支える仕組みを作ることを支援する。
石巻市の3地域で、定期的に「地域子ども食堂」を開催する。実施には各地域の小中学校、各地区区長会、自治会、婦人会、民生児童委員、社協等の地元組織と連携し「食事を通したコミュニケーションづくり」を行っていく。
「地域子ども食堂」に来る特に家庭に課題を抱える子どもを個別にフォローし、地域の社会福祉資源(民生児童委員、教師や塾講師、保健師等)につなげていく。また、月1回程度で地域のボランティアによる学習会を実施し、そのなかで宿題などを行えるようにする。
「地域子ども食堂」に関心を持つ他の地域の個人、団体等に対し、セミナーなどを実施するとともに、石巻圏域で子ども食堂に取り組んでいる団体と「石巻地域子ども食堂ネットワーク」(仮称)を形成するための団体交流会を開催する。
(担い手づくり、支援者づくり)
(ネットワークづくり、ネットワークへ巻き込む活動)
実施地域:渡波地区、鹿妻地区、湊地区の3地区
実施回数:1ヶ所につき年間24回(2回/月)以上、可能な地域は1回/週
「地域子ども食堂」に来る子どもたち(小学生から高校生)の中で、特に家庭や学校に課題を抱えている(生活困窮家庭、DV、ネグレクト、家庭不和、不登校、居場所がないなどの)子ども及び学習支援を希望している子どもを対象にして、個別フォローを行う。フォローは単独で行うのではなく、地域の社会福祉資源(教師、保健師やケアワーカー、青少年ボランティア等)や、ときには石巻市の社会福祉資源(子育て支援課、児童相談所等)につなげていく。さらに「地域子ども食堂」開催時に地域のボランティアによる学習会を実施する。
東日本大震災で被災した女性の就労を支援し、石巻の食と職をつくり、女性や高齢者などみんなが元気で生き活きとして働ける社会や食を通して人と人がつながり、互いに助け合い、笑顔が溢れる社会の実現を目指す。