一般社団法人 長面浦海人

一般社団法人 長面浦海人

長面浦は恵まれた漁場でありながら、被災度が著しく大きいことから公的な復興プロセスが進まず、漁師たちが自力で少しでも前に進もうと、2012年12月に「長面浦の復興と漁業を考える会」を設立。以降、毎月の議論を重ね、2013年9月に一般社団法人長面浦海人を設立した。

実施事業

長面浦さとうら再生計画 [2014年4月~2015年3月]

カテゴリー
くらし
事業名
長面浦さとうら再生計画
期間
2014年4月~2015年3月
助成額(万円)
650
主な支援対象

石巻市長面浦で漁業を営む漁師とその家族。石巻市長面浦地域(尾崎、長面)の元住民。その他、長面浦を愛する人。

主な活動地域
宮城県石巻市長面浦とその周辺(石巻市長面、尾崎地区)

活動実施の目的・背景

石巻市北上川河口域の内海・長面浦は、東日本大震災における津波により壊滅的被害を受けた地域の一つである。
恵まれた漁場でありながら、被災度が著しく大きいことから公的な復興プロセスが進まないため、同地区の再生に向けて、地元漁師たち自らが団体を立上げ、専門家とともに復興への道筋を協議し、「長面浦さとうら再生計画」を立案。地域の交流拠点となる番屋の建設、地元産品の情報発信強化、都市部との交流拡大などを柱とする漁業の立て直しと、漁師の手による地域復興の方針を固め、活動を進めている。
当助成事業においては、番屋を拠点としたコミュニティ活動として、夏を目途にカフェやレストランを開設するとともに、恵まれた豊かな漁場で育つ牡蠣や海産物のPRや販路拡大に力を入れる。そのことにより、高齢者や女性の仕事と生きがいづくりにもつなげていく。

事業内容

1.「番屋」建設による、地域に開かれたコミュニティー活動

地域の拠点となる「番屋」を建設し、漁師休憩所、コミュニティーカフェ、地元食材を使ったレストランなどを運営する。長面浦のおいしい海産物を提供するとともに、地域の記憶や復興への思いをつむぐ場所とする。また、保冷車を購入し、長面浦の海産物やバーベキューセットを積み、地域の人たちになつかしい味を食べてもらう機会も増やす。さらに環境学習・体験学習の場として近隣や消費地からの訪問者を受け入れ、往来人口を増やす。

2.高齢者や女性の生きがい創出

約20キロ離れた仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされている高齢者や女性を「番屋」に招き、料理や地域文化の伝承、DIY、植栽の手入れなどそれぞれの得意な分野で経験と知恵を発揮し、生きがいを創出する。女性たちは当番制でコミュニティーカフェを運営し、地域のネットワーク復旧の原動力とする。

3.消費地との交流による海産物の付加価値向上

ホームページを開設し牡蛎が育つ環境などをPRし、付加価値アップを目指す。消費者と双方向の関係を結ぶことで、ネット直販やオイスターバーなどへの販売など新たな販路も開拓し、新しい漁業のあり方も探る。また、自ら牡蛎を育てる「体験型牡蛎オーナー制度」を創設し、地域のファンや将来の漁業従事者育成につなげる。

カテゴリー
くらし
事業名
長面浦さとうら再生計画-はまなすカフェからの挑戦
期間
2015年10月~2016年9月
助成額(万円)
370
主な支援対象

石巻市長面浦で漁業を営む漁師とその家族。石巻市長面浦地域(尾崎、長面)の元住民。その他、長面浦を愛する人。

主な活動地域
宮城県石巻市長面浦とその周辺(石巻市長面、尾崎地区)

活動実施の目的・背景

応募団体は、津波で壊滅的な被害を受けた石巻市北上川河口域の内海である長面浦(ながつらうら)を再生しようと、地元の漁師たちが中心になって2013年に立ち上げた組織である。以来、研究者や専門家とともに復興への道筋を定期的に話し合い、「長面浦さとうら再生計画」を立てて、漁師の休憩や地域活動の拠点となる番屋を建設し「長面浦はまなすカフェ」を開設している。

助成1年目の活動では、番屋を中心とするコミュニティ活動と高齢者や女性の生きがいづくりに取り組むとともに、保冷車を購入して牡蠣など海産物の出荷や各地との交流促進に役立ててきた。

今回の継続助成では、開設された「はまなすカフェ」を地元にしっかりと定着させるとともに地域内外との連携をさらに深めようとしており、長面浦の漁業とコミュニテイの復興が着実に進展することを目指す。

事業内容

1.長面浦はまなすカフェの運営

長面浦の豊かな自然と美味しい魚介類はPRし、地域内外の人意図の交流を促進するため、漁師の妻たちが毎週日曜日には牡蠣や地元食材を使った料理を提供・販売する。無料の「お茶っこ開放デー」も設け、津波で住めない場所となった「ふるさと」で地域の人々が和める場としたい。カフェ収益を地域活動の原資とすることで、営利活動と非営利活動とのバランスをとりたい。

仮設住宅で暮らす女性・高齢者の生きがいづくりや健康増進のために、料理や地域文化を伝えるワークショップや、植栽の手入れなどの作業を行う。

2.体験型牡蠣オーナー制度の導入

広葉樹林に囲まれた穏やかな内海という環境を生かし、環境や食の大切さを学ぶプログラムを提供する。牡蠣養殖に関しては、春先の種はさみ込みから冬の収穫までの年3回程度の体験に加え、夏には「カニはずし」「塩つくり」などを体験できるキャンプも開催する。これらによる環境教育と交流人口の拡大を図る。

3.地域に開かれたコミュニティ活動

地域の人を招き大々的に牡蠣をふるまう「長面浦牡蠣まつり」や、長面伝承太鼓などの伝統芸能披露、ミニコンサートなどを通じて、震災で傷ついた地域コミュニティの再生を図る。震災で縁を得た国内外の地域と交流し、「長面浦」のファンを広げていく。

団体概要

団体名
一般社団法人 長面浦海人
代表者
小川英樹
所在地
〒986-0112
宮城県石巻市長面平六1-3
Tel: 090-7330-3311
設立の目的

長面浦は恵まれた漁場でありながら、被災度が著しく大きいことから公的な復興プロセスが進まず、漁師たちが自力で少しでも前に進もうと、2012年12月に「長面浦の復興と漁業を考える会」を設立。以降、毎月の議論を重ね、2013年9月に一般社団法人長面浦海人を設立した。

通常の活動

1.地域の拠り処となる番屋を長面地区に建設する 2.豊かな自然に育まれた牡蛎のおいしさをPRし、付加価値を向上させる 3.都市部との交流や環境学習イベント等を通じて、交流人口を拡大する これらを通じて、人と自然と地域の歴史がともに生きる里の浦「さとうら」再生を目指す。