・福島県内の児童生徒および学生
・健康不安を抱える県外避難者
福島市を拠点に各地の測定所と連携して活動。今後は、県外避難者の医療面での支援体制を構築するため各地の支援グループとともに全国に活動範囲を広げる予定。
1. 福島県内:20歳未満の子どものWBC測定の無料化
屋外での部活動をしている中・高校生は、砂ほこりを吸い込んだり、傷からの汚染などにより内部被曝の危険性が高い。特に、高校生は卒業後に進学や就職などで福島県を離れることも多いので、現在の記録を残しておくことの重要性は高く、早期の測定が必要とされている。各自治体も順次WBCを導入し小学生や幼児を持つ母親を優先して測定を開始している。しかし、WBC数は十分なものではなく、住民の全てが測定できるまでには数年を要するといわれている。学生たちが、自己負担なく気軽に安心して測定を受けられるよう無料測定を継続して実施する。
2. 福島県外:「こども健康相談会」(カウンセリング)と放射線防護に関するワークショップの開催
県外避難者は被曝による健康への不安を抱えているにもかかわらず、住民検診をうけることさえままならない。避難先の行政および医療機関と連携し、避難者の不安に答える体制構築を構築する。
・福島県内の児童生徒および学生
・健康不安を抱える県外避難者
原発事故による放射能汚染に直面し、放射能防護に対する知識および判断材料を求めている市民、とりわけ子育て世代に対して被曝量を低減するための総合的な支援活動を行うことを目的に設立。
食品測定や環境測定、ホールボディーカウンタ(WBC)の測定を実施するとともに、測定の結果をまとめブログや小冊子を作成し公開している。さらに、全国の小児科医等から支援を受け、福島市内、県内外において健康相談会を開催している。
1. こども健康相談会の開催
福島県内でのこども健康相談会の開催を継続する。県外の健康相談会では、支援団体が主体的に企画・運営していくことができるように支援しつつ、福島の現状を発信する。また、医療機関や自治体等の支援を受け、避難者のニーズの応じた支援体制を構築する。避難者支援団体等の情報提供を受け、今まで開催していなかった宮城県や山形県などといった近県の避難者向けの健康相談会の企画も進める。
2. 福島県内20歳未満のWBC無料測定
内部被曝量を評価するホールボディカンタ(WBC)は、定期的かつ継続的に行う必要がある。福島市では住民の測定が一巡していない。屋外での部活動をしている中・高校生は、砂ほこりを吸い込んだり、傷からの汚染などにより内部被曝の危険性が高い。経済的な負担がない形で測定できる環境が必要となる。そのためにも、無料測定を継続して実施する。
3. 食品・環境(空間線量・土壌)測定
福島に住み続けるためには、一人ひとりがいかに内部被曝や外侮被曝量を低減させるが課題となっている。とくに、子どもの生活環境についてホットスポットの存在を確かめ、具体的な低減策を講じることが不可欠である。除染の行われていない、通学路や散歩道をより詳細に測定し、より安全な散歩道、通学路を見定めるとともに除染や遮蔽措置を提言する。また、食品測定だけでは分かりにくい、より実態に即した陰膳調査(1日分の食事測定)を実施し、健康相談会の資料としたい。
福島県内の児童・制度及び学生。健康不安を抱える県外避難者
当団体は、福島第1原発事故後に放射能測定を開始した「特定非営利活動法人 CRMS市民放射能測定所 福島」が前身で、時の経過とともにニーズが変化するなかで活動内容を広げて現在の名称に変更している。助成1年目は、放射能防護のセカンドオピニオンを提供するために、食品測定やホールボディカウンター測定を実施するとともに、「こども健康相談会」を県内外で開催した。助成2年目では、活動の軸を「こども健康相談会」や全国の避難者を対象とする「健康相談会」に移して、放射能測定も継続している。名称変更してから会員数も大きく増やしている当団体が、支持者や協力者の幅をさらに広げながら、「自ら測り、考え、伝える」活動を通して、福島で暮らす子どもたちの健康の確保を目指す。
1. 放射能測定セミナー・交流会
子育て世代の母親などを対象に日頃の不安や疑問を気軽に打ち明けて相談できる場としてセミナーおよび交流会を年9回開催し、福島で暮らすための放射能防護に対する情報も提供する。
2. 子ども向け放射能ワークショップ
子どもたちを対象に放射能についてわかりやすい学習会や測定体験プログラム(ワークショップ)を年3回程度開催する。特に、ホットスポットファインダー(GPS連動型の空間線量率児童記録システム)は子どもにも分かりやすく興味を引く計測機器であり、積極的に活用する。
3. 流通食品の放射能測定
農産物や魚介類を含めて市場に流通する食品の放射能測定を実施して、福島で生活するうえでの重要なデータの蓄積を行う。年間測定目標は200件。
4. 空間線量の可視化と情報提供
子どもが安心して野外活動できるように、保育園や通学路など子どもたちの行動エリアを父母・保育士・教職員などの参加を得て、空間線量を測定し被曝の低減対策を市民とともに考える。測定にあたっては、子どもの体格に合わせて地表50㎝や10㎝の空間線量を重点的に測る。またこれまで蓄積してきた様々な測定データや放射能に関する知見を、地元の人にわかりやすく提供する。
原発事故による放射能汚染に直面し、放射線防護に対する知識および判断材料を求めている市民、とりわけ子どもを生み育てる世代に対して被ばく量を低減するための総合的な支援活動を行う。
「独立性」「自立性」「公開性」「公平性」の理念の下、空間線量測定、食品測定とホールボディー測定(以下WBC測定とする)の実施・ウェブサイトへの公開。全国の小児科医や内科医の支援を受け定期的に健康相談会、放射線防護に関する学習会の開催。測定技術の向上のための研修会の実施。