テーマ別研修
復興支援のための物販のあり方を考える研修会
- 日時
- 2017年9月5日(火)~6日(水)
- 場所
- 茂庭荘 (宮城県仙台市太白区)
- 参加者
- 岩手、宮城、福島の被災地で活動するNPO14団体の役職員21名
実施概要
東日本大震災から6年半が経過し、震災への関心や支援、関わりが減少する中、被災地での「生きがい、やりがい」のためのモノづくりにも陰りが見え始めた。支援者側は、復興支援のための購入から実用性や価値観を求めた購入にシフトしているが、団体側の意識が追い付いておらず、価値観のずれが生じている。また、商品を売るための資金、人手、商品開発、広報力など、必要とされるスキルの不足も生じている。その結果、商品が売れない、売り方が分からない、生産力が伴わないなどの課題が顕在化してきた。販売収入による自己資金を獲得していくことは団体にとって必要不可欠であり、復興支援の重要なテーマであることから、本研修を行うこととした。
プログラムでは、1日目にモノづくりと販売を行うNPO活動事例を聞き、物販のイメージを深めた後、広告代理店から商品販売のコツ、商品開発企業から品質管理などについて学んだ。2日目は、グループごとに共通の課題を出し合って話し合い、それらの課題解決方法を一緒に検討した。その後、前日の学びを活かして、各団体の物販において一番大切にしたい価値や価値を高める方法などを検討して商品販売改善プランを策定した。
プログラム
講義1「モノづくりを通した地域支援とは」
- 公益社団法人 シャプラニール=市民による海外協力の会 宮原麻季さん
- 特定非営利活動法人 シャンティ国際ボランティア会 渡辺ちひろさん
国際協力分野でモノづくりを通した地域支援に取り組んでいる2団体から、何を大切にして商品をつくり、事業として持続可能な仕組みとしているのか、そのために必要な要素は何かについて学んだ。
講義2「商品を売るためのコツ」
- 株式会社 電通 竹嶋理恵さん・菅本英克さん
商品の魅力を最大限に伝えるためには何が必要か、選ばれる理由、売るためのコツ、価値の作り方等、プランニングのプロ直伝のコツを学んだ。
講義3「信頼される商品に必要なこと」
- 株式会社 東北共同事業開発 丹野潤一さん
商品開発、製造において必要な品質管理(製品の品質、原料、コスト計算等)について、また、生産者と消費者をつなぐ立場で大切にしていることを学んだ。
グループワーク「継続可能な被災地支援の物販とは」
グループで共通の課題を掘り出し・整理を行った後、課題解決に必要な資源などを出し合い、次の手を考えた。
団体別ワーク「商品販売改善プラン」
前日に学んだことを活かして一番大切にしたい価値や価値を高めるためにどうするかを各団体で考えて改善プランを策定した。
参加者の声
- 売ることが優先なっていたので、基になっていることを核にし、今の状況で何ができるのか何をしたいのかすべて吐き出し、核に何を着せていけばよいのかみんなで話し合うことが大事だと思いました。商品も厳選していこうと思います。